難聴を抱えた子ども
子どもの聞こえ治療の必要性について親御さん自らが学べば、お子さまの将来にとって最良の決断を下すのに役立ちます。フォナックは、50年間培ってきた子どもの聞こえ治療に関する専門知識をもって、一流の聴覚専門家と密接に協力し合って、お客さまとお客さまのお子さまに総合的なソリューションをご提供します。
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2~3%
/1000人の米国の新生児に何らかの難聴があります。²
人間の脳は、人生の最初の6年間で言語を習得するようにプログラムされています...介在なくしては、子どもが成長するにつれ言語の獲得がますます困難になっていきます。
子どもの聴覚試験
子どもの聴覚試験では、難聴があるかどうか、異常があるのは片耳か両耳か、難聴の種類、難聴の程度、その難聴は治療できるのか、それとも聞こえの技術が使えるのかといったことがわかります。使用できる聴覚試験とスクリーニングは何種類かあります。
聴覚スクリーニング
聴覚スクリーニングは、短時間で終わり、信頼性が高く、痛みを伴わず、お子さまの聞こえが正常レベルかどうかということがわかります。聴覚スクリーニングで問題が見つかったお子さまには、さらに詳しい評価が行えるように聴覚専門家をご紹介します。
他覚的聴覚試験
この試験は振動または空気圧で耳の内部構造の応答性をチェックするように設計されており、お子さまに音を聞かせるときにお子さまが質問に答えたり参加したりする必要はありません。
行動聴覚試験
この試験では、さまざまな高さの音がお子さまにどのぐらい聞こえてお子さまがどう反応するかを聴覚専門家が記録し、それをグラフにプロットします。
子ども向けの聞こえのソリューション
難聴を補うには補聴器は絶対不可欠ですが、子ども向けの聞こえの最適なソリューションは補聴器、ワイヤレス機器、アクセサリー、およびアプリの組み合わせになるものと思われます。
マイフォナック ジュニア アプリ
業界で唯一小児専用に作られており、⭐4つの評価を受けたアプリ - 聴覚パフォーマンスを最優先にしながらも、子どもが自分で多くを管理できるように設計されており、リモートサポートとリモコンが使用でき、ペアレンタル コントロールでは子どもの発達と自立のレベルに合わせて子どもが行える操作をカスタマイズできるようになっています。
一側性難聴(UHL)の子どものためのソリューション
UHL は、片方の耳の聞こえは正常範囲内で、他方の耳での聞こえが弱くなっているタイプの難聴です。弱い方の耳の難聴は、軽度の場合もあれば、重度や高度の場合もあります。米国内の6.3% の子どもが患っており³、UHL の子どもはサポート サービスを必要とする可能性が5倍高くなります。³ UHL の子どもが可能か限り最高の聞こえ体験を得るには、UHL 固有のソリューションの組み合わせが必要になります。
ソリューション1:フォナック スカイ ルミティ
難聴の耳に補聴器の効果が得られる UHL のお子さまに推奨されるソリューションは、フォナック スカイ ルミティ補聴器シリーズです。オートセンス スカイ オペレーティングシステムが、お子さまの毎日の聞こえのニーズに合わせて自動的に適応します。
ソリューション2:6歳以上のお子さま向けのフォナック クロスとフォナック スカイ L-PR、8歳以上のお子さま向けのオーデオ L-R/RT
難聴の耳が補聴器の効果が得られない高度重度難聴である UHL のお子さまには、フォナック クロス L マイクロホンが役立ちます。難聴のある側から音を拾って、それを正常な聞こえを持つ耳に装用された小さいスカイ ルミティ補聴器に送ります。
ソリューション3:ロジャー フォーカス II システム
片側の耳に補聴器の効果が得られない難聴を持つお子さま向けのもう1つのソリューションが、ロジャー フォーカス II システムです。これをロジャー マイクロホンと組み合わせて使用することにより、お子さまの正常な聞こえを持つ耳に音声を直接送ることができ、通常の教室で先生の話が聞こえやすくなります。⁷
ロジャー テクノロジー
ロジャー製品は、毎日の音環境の中で補聴器、人工内耳スピーチプロセッサ、またはロジャー フォーカス II と組み合わせて使用することができ、話者の声をお子さまの聞こえのソリューションに直接届けます。雑音の多い場所にいたり、話者が離れた場所にいる状況でお子さまが人の話を聞くときに、このテクノロジーにより恩恵を受けることができます。
自宅で
研究により、自宅でロジャー テクノロジーを使用すると、子どもが1日8時間の間に曝される言葉の数は、補聴器のみを装用している場合と比べて、ほぼ5,300語増えることが示されました。同じ研究で、ロジャー システムを使用している間、80% の家族が反応がよくなったと報告し、35% が子どものストレスが軽減したと報告したことも示されました。⁴
学校で
教育システム用のロジャーは、ますます活動的で対話が多くなった現代の教室での子どもの適応を支援します。アクティビティに参加し、質問に答え、友達と付き合い、マルチメディア機器を使いこなすために必要な音の明瞭度を手に入れるのに役立ちます。
コミュニケーションの重要性
子どもは、毎日さまざまな形のコミュニケーションに触れることで、人間関係を広げ、充実した人生を送るために必要なスキルを習得することができ、それが最終的には子どものウェルビーイングに良い影響を与えます。お子さまの学習と社会性を助けるために親としてできることをいくつかご紹介します。
補聴器を常にオンにしておく
適切にフィッティングされた補聴器を常時装用していると、子どもの発話と言語の発達がよくなります。4
頻繁に話しかける
幼い時により多くの話し言葉を聞いた子どもは、学校での勉強や成長していく中での言語面での要求にしっかり備えることができます。5
言語的に豊かな環境を作る
歌う、話す、本を読む、音楽を聞くなど、さまざまな活動によって、可能な限り大量の言葉に子どもを触れさせましょう。
大きな声で音読する
読むことは、子どもの語彙構築を助け、新しい概念を学んだり会話スキルを伸ばしたりするのにも役立ちます。
一緒に音楽を聴く
音楽は、 初期のリスニング スキルを助け、子どもの脳内の言語と学習を司る聞こえセンターを発達させます。また、騒音下で会話を聞き取る能力も発達させます。
HearingSuccess
子どもの聞こえと話し言葉の発達を支援するために設計された聴覚技術トレーニング リソースがお子さまとご両親でご利用いただける有益なオンライン ポータル。
難聴を抱えた子ども
よくあるご質問
お子さまに聴覚試験が必要になる理由は、以下のようにいくつかあります。
お子さまが新生児スクリーニングまたは学校の聴覚スクリーニングに合格しなかった
お子さまが家の周辺の音に反応しない
ご両親、お子さま本人、またはお子さまの学校の先生が、お子さまの聞こえの難しさあるいは方向追跡の難しさを心配している
お子さまが聞こえに関するトラブルを訴えている
お子さまのためにテレビ、音楽、ゲームなどで音量を上げる必要がある
お子さまが耳の外科処置を受けている
お子さまが聞こえに影響の出る可能性がある薬物治療を開始した
子どもの聞こえの状態は年月とともに変化する場合があります。難聴の中には、一時的な症状であって医学的な治療が可能なものもありますが、永久的な難聴もあります。さらに、高度難聴は軽減したり悪化したりと変化する場合もあれば、年月が経っても安定して同じ状態の場合もあります。したがって、難聴の診断が下されたお子さまには、少なくとも年に1度は聴覚試験を受けてお子さまの現在の聞こえの状態を把握することをお勧めします。お子さまが幼い場合や、聴覚試験が不完全だった場合は、年に複数回の聴覚試験が必要なこともあります。
脚注
* Bluetooth® のワードマークおよびロゴは、Bluetooth SIG, Inc. が所有する登録商標です。Sonova AD は、使用許可を得てこれらのマークを使用しています。
1. Flexer, Carol (2018). The ears are doorways to the brain. フォナック インサイト、2018年2月19日に www.phonakpro.com/evidence より入手。
2. アメリカ疾病管理予防センター(CDC)。Identifying infants with hearing loss - United States, 1999-2007. MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 59(8): 220-223. Vohr B. Overview: infants and children with hearing loss—part I. Ment Retard Dev Disabil Res Rev. 2003;9:62–64
3. Vila PM, Lieu JE. Asymmetric and unilateral hearing loss in children. Cell Tissue Res. 2015 Jul;361(1):271-8. doi: 10.1007/s00441-015-2208-6. Epub 2015 May 26. PMID: 26004144; PMCID: PMC4490007.
4. Benítez-Barrera, CR, Angley G., & Tharpe, A.M. (2018). Remote Microphone System Use at Home: Impact on caregiver talk. Journal of Speech, Language and Hearing Research, Vol. 61, 399-409
5. McCreery, R. W., Walker, E. A., Spratford, M., Bentler, R., Holte, L., Roush, P., & Moeller, M. P. (2015). Longitudinal predictors of aided speech audibility in infants and children. Ear and Hearing, 36 Suppl 1, 24–37.
6. Nelson, J. & Dunn, A. (2021). Roger Focus II in children with Unilateral Hearing Loss. フォナック フィールド スタディ ニュース、2022年10月に www.phonak.com/evidence より入手。